「緑茶・コーヒー摂取と脳卒中発症の関連について」
独立行政法人・国立がん研究センター、がん予防・検診研究センター予防研究部(以下、がん研究センター)の研究結果から、緑茶を1日に2杯以上、またはコーヒーを日に1杯以上飲む人は、緑茶やコーヒーを飲まない人に比べて循環器疾患や脳卒中などの発症リスクが低い結果がみられました。
調査結果は、がん研究センターの「緑茶・コーヒー摂取と脳卒中発症との関連について」の調査で明らかになったもので、45~74歳のうち循環器疾患、がんの既住のない追跡可能な男性3万8029人、女性4万3949人の対象者で行われました。
緑茶をよく飲む人は脳卒中などの発症リスク低く
調査は、緑茶をよく摂取する人とそうでない人を細かく6つに分けて行われ、緑茶を毎日4杯以上飲む人は、飲まない人に比べて脳卒中、脳梗塞、脳出血発症のリスクが低いという結果がみられました。ただし、緑茶と虚血性心疾患との関連はみられませんでした。
この結果を踏まえて今後は、緑茶のカテキンなどによる抗酸化作用、抗炎症作用などの血管保護効果が血圧とどう関連しているのか研究が必要です。
この他、コーヒーには血糖値を改善する効果があるといわれているクロロゲン酸が含まれており、調査では、コーヒー摂取頻度が高いと糖尿病の既往歴の割合が低い傾向がみられました。ただし、脳卒中などの予防効果については、国によって一致した調査結果がえられず予防効果についてはまだ明らかに分かっていません。
編集部 つつみ さえこ

「緑茶・コーヒー摂取と脳卒中発症との関連について」独立行政法人・国立がん研究センター
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3278.html