アルツハイマー病の新しい治療法開発へ
独立行政法人 理化学研究所と国立大学法人長崎大学が18日、アルツハイマー病の遺伝子治療実験に成功したと発表した。
治療実験は、学習・記憶能力などに障害があるアルツハイマー病モデルマウスの血管に、アルツハイマー病の発症の引き金となる脳内のアミロイドベータペプチドを分解するネプリライシン遺伝子をウイルスベクターで投与するもので、実験の結果、投与されたマウスの認知機能が野生型マウスのレベルまで回復することがわかった。
注射で簡単にアルツハイマー病を治療できる時代へ
この研究成果により従来、ネプリライシン遺伝子をウイルスベクターで直接脳内に注入していた外科的手術が必要なくなり、治療法は従来より容易に。さらに、脳全体にネプリライシン遺伝子をいき渡らせることが難しかった技術的問題も解消される。
この先の課題としては、今回開発されたウイルスベクターを大量生産する技術開発ならびに、安全性の問題などの解決で、これらの課題を達成すれば今後、この研究成果がすべてのアルツハイマー病の予防と治療法となる可能性が高く早い臨床応用が望まれる。
編集部 つつみ さえこ

「アルツハイマー病の血管からの投与による遺伝子治療実験に成功」独立行政法人 理化学研究所
http://www.riken.jp/r-world/info/release/