「認知症の人と家族の会」の会員465名が対象
日本イーライリリー株式会社は、認知症の診断・治療の現状と課題を明らかにすることを目的に、認知症患者の家族465名を対象にアンケート調査を実施、その結果を発表した。
(画像はプレスリリースより)
認知症を疑ってから確定診断までに、平均15か月
この調査は、同社が公益社団法人「認知症の人と家族の会」の協力のもと、郵送によるアンケートを実施。同法人の査研究専門委員会にて分析・検討されたもの。
それによると、認知症を疑うきっかけとなる変化に気づいてから最初に医療機関を受診するまでにかかった期間は平均で9.5か月、最初に医療機関を受診してから確定診断までにかかった期間は平均6.0か月であった。
確定診断、3割以上が「遅すぎた」
認知症との確定診断された時期について尋ねたところ、3割以上が「遅すぎた」と回答。確定診断までに時間がかかったことについて、「適切な治療がなされなかった」「診断がなかなかされないことで、長い間不安だった」といった不満や精神的負担を感じている人が多い結果となった。
一方で、早期診断が実現した場合にも課題はある。4割近くが、「長い間、精神的負担を抱えなければならない」「治療以外の介護や経済的支援などサポート体制が整っていない」と回答。早期診断が実現した場合でも、診断後に安心して生活できる環境整備が不可欠であることが明らかとなった。
認知症の早期確定診断、早期対応の実現を
今回の結果を受けて、認知症の人と家族の会では、「認知症ケアは、患者本人とその家族を支え、希望を与えるものであるべきだ。早期診断、早期対応が実現され、安心して受診でき不安のない人生が送れるようになることを願っている」とコメントした。
また、日本イーライリリーは、認知症の早期確定診断の重要性を広く啓発し、適切なケアへ結びつく社会の実現へ向けて活動していくとしている。

日本イーライリリー株式会社のプレスリリース
https://www.lilly.co.jp/pressrelease/