社会保障制度についての意識調査
日本生活協同組合連合会が、国民の社会保障制度に対する意識や考え方を明らかにすることを目的に、「社会保障調査」を実施、その結果を発表した。
(画像は日本生活協同組合連合会プレスリリースより)
社会保障への満足度は低い結果に
現在の自分の生活について、58%が「満足・まあ満足」と回答。一方で、日本の社会保障については、「満足・まあ満足」と回答した割合は26.8%にとどまった。
各制度についての満足度を調査した結果、「医療」に満足している割合は57.5%と比較的高く、「年金」は19.7%、「介護」は20.6%であった。
社会保障への関心が低い若年層
40歳未満の若年層は、「子育て・教育」「雇用」という社会保障分野についての関心は高いものの、社会保障への関心は高齢層と比べても低い傾向にある。
調査でも、年金制度への満足度は高齢者と比べて低く、「将来年金がもらえないかもしれないので納付したくない」と回答する人が多く見られた。また、若年層は社会保障の詳細について質問すると「わからない」と回答する傾向が強かった。
しかし、全年齢層を合計すると、「医療」「年金」「介護」「雇用」「子育て・教育」の順に関心が高くなる結果となり、若年層の声が見えにくくなることが明らかになった。
社会保障とは?
どの年齢層でも、「自分に何かあったときには、周囲の人が助けてくれる」と考える人の割合は低く、特に男性高齢層でその傾向が強かった。
多くの人が、社会保障について「政府による支援や給付」をイメージしており、家族や友人、地域で支え合うものと考える人は少ない。しかし、社会保障に満足している層は、社会保障は地域で支え合うイメージをもつ比率が高く、社会保障についての考え方の違いと満足度との関連が推測される結果となった。
応能負担には大半が賛成
現在の雇用状況への不安定感は、非正規労働に就いている人ほど強く、特にフルタイム並みに働く非正規雇用者は自分自身の生活への満足度や社会保障への満足度が低かった。
社会保険料については、全体的に高所得者の負担率を高くする応能負担の考えに賛同する傾向が見られた。ただし、日本生協連によると、今回の調査では「高所得者」の定義を厳密に定めてはおらず、一定以上の所得がある回答者も、自身を高所得者として認識せずに回答した可能性があるとのこと。

日本生協連調べ “社会保障に不満”7割強
http://www.atpress.ne.jp/view/41178