高齢化社会を見据えた新しいシェア型居住スタイル
芝浦工業大学は、これからの新しい住宅プランとして「母の家2030ー呼吸する屋根・環境シェルターによるシェア型居住スタイル」を提案するプロジェクトを実施している。
(画像はプレスリリースより)
「母の家2030」とは
芝浦工大建築工学科が提案するのは、学生の母親世代の多くが高齢となる2030年の住環境を考え、「“個”が集まるライフスタイルから、“共”のつながるライフスタイルへ」というコンセプトのシェア型居住スタイル「母の家2030」だ。
太陽エネルギーと自然採光を最大限に生かした「呼吸する屋根」や、身体に負担をかけない空調設備、寝室や台所・水回りなど必要最小限の空間をユニット化した「環境シェルター」を備えている。
暮らし・エネルギー・セキュリティをシェア
このプロジェクトでは、地域での暮らし・エネルギー・セキュリティをシェアする新しいライフスタイルを提案する。
エリアの各住居が集合し、長屋的シェア型住居(集合住宅)を形成する「暮らしのシェア」。従来の戸建て住宅のみで完結する閉鎖的な住環境ではなく、寝室ユニット以外の空間や設備機器を共有することで、必然的な人のつながりを生み出すという。
太陽エネルギーを住戸や地域でシェアする 「エネルギーのシェア」。天候に左右される太陽エネルギーを貯蓄制御し、余剰分を有効利用するネットワークシステムを構築する。
大震災などの非常時の生活を助ける「セキュリティのシェア」では、屋根が生み出す温水と電力を共用し、地域内では非常時管理機能により余剰電力を必要箇所に分配・共用する。また、地域セキュリティシステムを完備し、クラウド型医療などの健康管理なども行うとのこと。
今後の展開
今回、「母の家2030」のモデルハウスを建築し、1月29日(水)から東京ビッグサイトで行われるイベント「ENEX2014」に出展する。
「環境シェルター」は十分な耐震性と高気密・高断熱性を持ち、アジア地域での地震や台風対策にも生かせると期待されている。今後はこの住宅システムをアジアに輸出することでグローバルな住宅市場の開拓を目指している。

芝浦工業大学、 人と環境にやさしいシェア型居住スタイル 2030年のモデルハウスを建築
http://www.atpress.ne.jp/view/42442