富士フイルムとiPS細胞研究所が共同研究を開始
富士フイルム株式会社(以下、富士フイルム)と京都大学iPS細胞研究所(以下、CiRA)が2014年3月から、患者由来のiPS細胞を用いたアルツハイマー型認知症治療薬「T-817MA」に関する共同研究を開始しました。
本研究は、iPS細胞を用いたまったく新しい新薬開発で、アルツハイマー型認知症治療薬の開発を加速させる研究といえます。
アルツハイマー型認知症の治療効果に期待「T-817MA」
すでに富士フイルムはグループ会社である富山化学工業株式会社でアルツハイマー型認知症治療薬の研究を進めており、アルツハイマー型認知症に高い治療効果が期待できる「T-817MA」を突き止め、現在、アメリカでその第II相臨床試験が進められています。
また今回の共同研究で両社は、患者由来のiPS細胞を用いてえた培養皿のデータを、ヒトの臨床試験でのデータにつきあわせて解析し、最終的には患者が使える薬剤開発につなげていく意向です。
※iPS細胞(induced pluripotent stem cell)とは、2006年、山中伸弥教授グループの研究によって生まれた世界初の新しい多能性幹細胞で、新薬の開発や再生医療などの活用に期待されています。
編集部 つつみ さえこ

「アルツハイマー型認知症治療薬「T-817MA」に関する共同研究を開始」富士フイルム株式会社
http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/「iPS細胞とは?」京都大学 iPS細胞研究所
https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/faq/faq2.html