認知症の人の「出かけたい」思いを大切に
愛知県豊橋市は2月25日、認知症になっても安心して暮らせる町作りの取り組みを公開した。
テレビにも取り上げられた「バスの来ないバス停」の設置など、認知症の人が暮らしやすい町作りを目指している。
「バスの来ないバス停」とは、いくら待ってもバスが来ない、ニセのバス停。認知症の人がバスに乗って遠くに行ってしまい、行方不明になってしまうのを防ぐためのものだ。
認知症の人がバスに乗ろうとするときには、そこに明確な意思が存在するケースが大半だという。たとえば「家族に会いに行きたい」「家に帰りたい」などの目的があるそうだ。
しかしその思いも、5分ほど経過すると忘れてしまうことが多い。このため、「一旦このバス停で待ってみましょう」と促し、気持ちが落ち着くまで過ごすための場所として利用されている。
このバス停は、認知症カフェ「アンキカフェ」の敷地の一角にある。
認知症の人の意思を尊重したいというアンキカフェの趣旨に賛同した豊橋鉄道が、かつて使用されていた本物のバス停を譲渡したことにより実現した。
認知症カフェは、地域に住まう認知症の人やその家族などが安心して過ごせるカフェスペース。カフェを拠点に団らんや情報交換、レクリエーションなどが行える。また、認知症への不安や悩み相談にも対応する。
現在豊橋市内には、アンキカフェをはじめ約10店舗の認知症カフェが存在する。それぞれに個性があり、自分の目的に合った「まちの居場所」を見つけることができる。
「認知症まちづくり報告会」も定期開催
豊橋市では定期的に「認知症まちづくり報告会」も実施している。次回の開催は、3月13日午後1時30分~2時30分の予定だ。
オンライン会議システム「Zoom」にて開催され、豊橋市役所本庁でも視聴できる。定員は120人(オンラインは80人、豊橋市役所本庁での視聴は40人)。参加申し込みは、豊橋市ホームページから行う。
(画像はプレスリリースより)

豊橋市のプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000105.000025583.html認知症について考える会-豊橋市
https://www.city.toyohashi.lg.jp/30872.htm