介護美容、導入施設が3年で11倍に
株式会社ミライプロジェクトは3月28日、同社が提供する「介護美容」サービスの導入施設数が過去3年で11倍、利用者数も8倍に増加したと発表した。
同社は2021年から訪問美容サービス「care sweet」を展開しており、介護を必要とする高齢者に美容ケアを届ける取り組みを進めている。
介護美容とは、メイクやネイル、エステといった美容を中心としたケアを通じて、心身の健康維持や生活の質の向上を図るサービスである。美容の力でADLやQOLの改善を促し、結果として健康寿命の延伸につなげたい考えだ。
また、美容の知識に加え、介護・医療に関する資格や知識を備えた専門職は「ケアビューティスト」と呼ばれており、同社ではこの人材を育成する「介護美容研究所」も運営している。2025年4月には、約600名の新入生が入学する予定となっている。
美容がきっかけで笑顔と交流が生まれる
同社によると、介護美容を導入した現場では、高齢者の笑顔や会話が増えるなど、肯定的な変化が生まれているという。
例えば、あるグループホームでは、認知症のため周囲と交流できず塞ぎ込んでいた入居者が、ケアビューティストの声かけによってネイルケアを初めて体験。本人から「ピンクにしたい」との希望があり、仕上がった爪を見て大変喜んだという。
その後、他の入居者とネイルを見せ合いながら会話が増え、笑顔も見られるようになったと報告されている。
さらに、東京都荒川区の高齢者施設「尾久のはらっぱ」では、同研究所の卒業生が職員として勤務し、毎月「はらっぱBEAUTY」というイベントを実施している。
施設長の佐野氏は、「認知症の入居者は5分前のことを忘れがちだが、美しく整えた姿を見るとその瞬間の感動を思い出し、明るい気持ちを取り戻すことがある」と話す。
また、ふだんほとんど笑わなかった入居者がメイクで表情を取り戻し、その写真を見た家族が久しぶりに施設を訪問。以後、食事介助に関わるようになった事例もある。
同社は
今後も高齢者やご家族の方、介護職の方から求められるサービスになるために、一層のサービス改善に努めてまいります
(プレスリリースより)
と述べている。
(画像はプレスリリースより)

株式会社ミライプロジェクトのプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000025369.html株式会社ミライプロジェクトのホームページ
https://www.mirapro.net/