介護の負担が原因か
福井県の調べで、2011年度に虐待の被害を受けた県内の高齢者(65歳以上)が過去最多の194人となったことがわかりました。市町を通じて、虐待対応の窓口となる各地の地域包括支援センターに寄せられた相談・通報の内容を県がまとめました。
読売新聞の報道によると、被害者194人のうち、65%の127人が介護保険で日常生活の支援や介護を受けている人で、県長寿福祉課は
「高齢者を介護する家族の身体的、精神的な負担が虐待につながっているのではないか」
と分析しているそうです。
要介護度が低いほど家族のストレスがたまりやすい?
さらに要介護認定を受けている被害者127人のうち、寝たきりの人が多い要介護4、5の人は計29人だったのに対し、介護の必要な度合いが小さい要介護介護1~3の高齢者は計78人と多くを占めました。これに対し、読売新聞では
「要介護度が比較的軽い1~3の高齢者は多くが自由に外出できるため、家族の付き添いが必要で、さらに認知症であれば介護側とのコミュニケーションも難しくなる。このため、家族のストレスが蓄積しやすく、虐待につながるとみられる」
と報じています。
家族の介護疲れを軽減する取り組みを開始
県長寿福祉課では
「家族の介護疲れを軽減することが、虐待の防止にもつながる」
として、県と市町ではデイサービスと宿泊をセットで利用した人に費用を補助するなど、介護者の負担軽減を目指した取り組みを進めることにしています。

福井 昨年度 高齢者虐待最多194人(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukui/news/福井県公式ホームページ
http://www.pref.fukui.jp/