高齢者を対象に入浴試験を実施!
花王株式会社はこの度、自社のヒューマンヘルスケア研究センター・パーソナルヘルスケア研究所と、日本赤十字北海道看護大学・山本憲志准教授が共同でおこなった試験結果を明らかにした。
この試験は、健常な60代から70代の高齢男女に、毎日の入浴と浴後の前屈ストレッチングをおこなってもらい、その効果を調べるものである。
(この画像はニュースリリースより)
加齢が進むと歩行機能にも影響が!
急速に高齢化が進む昨今では、生活習慣病などの運動器症候群の予防・改善による、健康寿命の延長やQQL(生活の質)の向上が注目されつつあるという。そんななか花王がおこなうのが、健康ソリューションの研究である。
加齢や運動不足は、体幹や脚の筋肉の柔軟性を低下させ、その結果、歩行機能が低下し、日常生活に支障がでる可能性もあると考えられている。
そこで今回花王は、健康ソリューションの研究の一環として、炭酸入浴とストレッチングが、歩行機能や筋肉の柔軟性にどう影響するのかを検証することとした。
歩行機能や柔軟性がアップ!
試験は、60代から70代の高齢男女を対象に、「炭酸入浴+ストレッチング群8名」「さら湯入浴+ストレッチング群9名」「炭酸入浴群7名」の24名の比較という形で実施された。試験期間は4週間で、10分間の全身浴と、浴後の前屈運動10秒×3回をおこなうものである。
まず明らかとなったのは、毎日の炭酸入浴と30秒のストレッチングが、歩行機能の回復にもつながるということ。シート式圧力センサーによる測定をおこなったところ、ストレッチング実施群においては、0週から4週目にスムーズな足の運びが見られ、炭酸入浴群においては、4週目に歩行速度が上がることが確認された。
そしてもう一つ確認されたのが、炭酸入浴とストレッチングの組み合わせにより、体幹や脚の筋肉の柔軟性も高まるということ。ストレッチングにおける効果としては、4週目において、長座体前屈が明らかに伸張し、炭酸入浴と併用した場合、足関節の両方の角度が有意に増加する事実が確認された。
花王は今後、今回の試験結果をもとにより詳細な研究を進め、炭酸入浴などを用いた健康習慣の提案をおこなっていく方針だという。

花王株式会社によるニュースリリース
http://www.kao.com/jp/corp_news/2013/20131121_001.html