計412名を対象に調査
介護の必要な認知症患者は高齢者人口の伸びに伴い、2005年には169万人であったのに、2015年には250万人にまで達すると言われている。沢井製薬株式会社は、認知症介護者の医療コストに対する意識や医師・薬剤師への要望を、全国の認知症介護者206名、比較対象として生活習慣病患者206名を対象に実施した。
アンケート対象者の内訳は、認知症(アルツハイマー型/脳血管性)を患い、処方薬を服用している患者の介護者(同居家族に限る)206名。生活習慣病患者(高血圧症、糖尿病、脂質異常症を患い、処方薬を服用している患者)206名で調査方法はインターネット。
結果のハイライト
薬代について、平均すると、認知症介護者6,418円、生活習慣病患者4,456円で、約2,000円の差がある。他に、認知症介護者は、「薬代」のみならず、「福祉施設利用料」「介護ヘルパー代」なども含めたあらゆる医療コストに負担を感じている。
認知症介護者、生活習慣病患者・薬について重視することは、ともに「効果」「安全性」「医師・薬剤師の薦め」である。特に認知症介護者は、「飲みやすさ」「剤形」に関する重視度が高い。
薬剤師に望む情報提供として、認知症介護者、生活習慣病患者ともに「副作用」「飲み方・飲み合わせ」と合わせ、「ジェネリック医薬品の有無」のスコアが高い。
ジェネリック医薬品への変更希望意向は、生活習慣病患者で41.7%と高く、認知症介護者では26.2%にとどまっている。認知症介護者、生活習慣病患者ともに、「医師・薬剤師に相談してから考える」のスコアが61.2%、46.6%と一番高く、医療従事者からの積極的な情報提供が望まれる。
変更したい理由としては「同じ効き目であれば、安く抑えたい」が多く、変更したくない理由としては、「現在服用中の薬で満足している」
有識者のコメントから
「認知症において、早期からの診断と適切な投薬治療はQOLの面から重要です。もちろん患者さん個々でその症状は異なり、副作用などを考慮しながら適切な治療ができるよう務めなければなりません。また、認知症の場合、服用期間が長くなることが多く、加えて年金で生活されている患者さんも多いので、処方をする医師側も経済的負担に重々配慮すべきと考えています。認知症の新薬が続々と発売されている中、「標準的治療にはジェネリック医薬品を」という考え方は、認知症治療において一定の支持を得るのではないでしょうか。また認知症早期からの適切な投薬に結びつけるためには、かかりつけ医の先生方と我々専門医との連携強化が今後ますます重要になるでしょう。」
以上、診療部・地域精神保健部長、医学博士:塩崎一昌氏.

沢井製薬
http://www.sawai.co.jp/press/2011/20111128-2.html