厚生労働省の調査結果
12月6日「平成22年度 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査」結果を厚生労働省が発表した。
調査は虐待の通報を義務づけた2006年施行の高齢者虐待防止法に基づき実施。震災のため宮城、岩手の計5市町を除く全都道府県、市区町村からの報告をまとめたものである。
調査結果によると平成22年度に高齢者が家族や介護職員から虐待された事例数は16,764件に上り、調査を始めた平成18年度以降で最多だったと発表した。
数字でみると、家族・親族による虐待が前年度比6.7%増の16,668件で、介護職員による虐待も急増し、同26.3%%増の96件だった。家族や親族の虐待による死者は前年度比11人減の21人。内訳は殺人が10人、介護放棄による死亡が6人、心中が4人などだった。
虐待の内容
家族や親族による虐待の内容(重複あり)は、身体的虐待が63.4%、暴言などの心理的虐待39.0%、介護等の放棄25.6%、年金や預貯金を使い込む経済的虐待25.5%など。
加害者は息子が42.6%、夫が16.9%、娘が15.6%だった。家庭内で虐待を受けた被害者の7割は要介護認定を受けており、半数近くは認知症だった。
厚生労働省は「家事に不慣れで介護の負担を強く感じ、仕事と両立困難な場合に起きやすい」と分析。介護サービスの利用呼びかけや、施設での虐待防止策として職員研修の強化を自治体側に要請した。

厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001wdhq.html