国内の医療/健康/介護福祉関連のIT支出額予測
IT専門調査会社IDC Japan株式会社は、国内の医療/健康/介護福祉関連のIT支出額予測を発表した。これによると、国内の医療/健康/介護福祉関連のIT支出額は、昨年の5,259億円に比べて2011年は5,182億円、前年比成長率1.5%減となった。しかし2010年~2015年の年間平均成長率(CAGR)は1.2%、2015年には5,587億円へ拡大すると予測している。
2011年のマイス成長の原因は、2010年の診療報酬改定やデスクトップOSのライフサイクル終了に伴うリプレイス需要増の反動と、東日本大震災の影響による医療計画の見直しなどが考えられる。2012年以降は安全確保を担う災害拠点病院の機能強化や、診療報酬および介護報酬のダブル改定で需要増が見込まれ、プラス成長が継続する見込みだ。
東日本大震災の被災自治体では、スマートシティの実現を復興計画の柱とするケースが増えており、社会インフラ整備の観点から、ICTを活用した地域医療/健康/介護福祉連携のネットワークの強化や充実が優先事項となっている。この動きは今後、被災地以外の地域のプロジェクトにも波及していくとみられる。
M2M実用化に向けての行政整備に期待
その中でも、機械同士が人間を介在せずに相互に情報交換し、自動的に制御を行なうM2M(Machine-to-machine)ネットワークは、医療分野での市場拡大が期待されている注目の技術だ。疾患予防や自立型介護支援の分野で、各種センサーノードやモバイル端末によって収集した生体データを、ネットワークを介して分析し、健康状態の重要な変化を患者や医師などに伝達するシステムの研究開発が進められている。
今後、開発コスト削減や早期の商用化に向けて、医療と健康、介護福祉をつなぐ制度的仕組みづくりや関連法案の見直し、経済インセンティブの付与などが求められる。今回の発表はIDCが発行したレポート「2011年 国内ヘルスケアIT市場 2011年第3四半期のトレンドと公共/民間スマートシティ関連サービス」にその詳細が報告されている。
国内医療/健康/介護福祉関連IT市場予測を発表 IDCニュースリリース