いくら介護保険を整備しても
介護事業の根幹を崩す事件が起こっている。神戸市西区の介護付き有料老人ホーム「はぴね神戸学園都市」で起こった高齢者虐待だ。神戸西署は13日、暴行容疑で、神戸市須磨区白川台の介護福祉士、松田光博容疑者(40)ら元職員3人を逮捕している。
このタイプの介護施設は、個室でサービスが行き届くという事で、お金が用意できるなら家族が安心して入所させることができるタイプ。いわゆる特養が何百人の順番待ちという実態があるので、どうしても自宅で介護できない家族に人気がある。その信頼を根幹から揺るがす事件で、当人たちだけでなく施設運営側にも多大な責任がある。
(介護付き有料老人ホームのはぴね/はぴね神戸学園都市TOP)
解明してほしい事件は最低もうひとつ
松田光博容疑者が担当していた80代の女性入所者が昨年1月、ベッドでうつぶせになって死亡していたことが14日、施設関係者らへの取材で分かった。
(MSN産経ニュースより)
はぴね神戸学園都市は総定員が138名という事で、個室数は128、2.5人に一人の職員がいるとうたってはいるが、この日に関しては松田光博容疑者が一人で巡回していたようだ。この夜間の人員に関しては、介護業界では普通なのかもしれないが、認知症や要介護度の高い人がいれば一般の人間から見れば「信じがたい手不足」と感じられる。
何か介護施設の職員や関係機関に、人間の尊厳を破壊するような考えがなかっただろうか。勤務体制などもう一度考えるべきだ、「人手が足らないときの人間のしんどさ」が人を鬼に変えることもある。
該当女性は度重なる骨折で今歩けないらしいが、自分の意思を伝えられたことはよかった。そうでないと、この施設はこのまま運営され被害者がもっと出ただろう。今は他の施設に移ったという事だが、「あの人たちは来ない?」と聞くという(読売テレビ報道)悲しい話だ。

介護付き有料老人ホームのはぴね
http://www.happine-carelink.net/gakuentoshi/はぴね神戸学園都市施設概要
http://www.happine-carelink.net/gakuentoshi/outline/index.htmlMSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120214/waf12021414320019-n1.htm