昨年から受講者549%増
「介護職員基礎研修」の受講希望者が急増しているそうです。今年4月の介護報酬の改定により、訪問介護事業所に配置が義務付けられている「サービス提供責任者」の資格要件が引き上げられたことや、資格制度の見直しが理由のようです。
有資格者がいないと介護報酬が10%減算に
産経新聞の報道によると、福祉の人材サービスなどを行なう「ニッソーネット」(大阪市北区)が運営する介護教室「ほっと倶楽部」の介護職員基礎研修の講座は、今年4~6月の受講生が前年同期の549%に急増したそうです。介護職員基礎研修は国の介護資格制度の見直しに伴って今年度で廃止される予定です。そこで駆け込み受講する人も多いようですが、その理由となっているのが訪問介護事業所設置に必要な「サービス提供責任者」の資格要件変更です。介護報酬の改定により、資格要件からヘルパー2級修了者が外れ、「介護職員基礎研修」修了者以上の有資格者がいないと介護報酬の10%が減算されるようになりました。そこで減算を避けるため、事業所単位での受講希望も多いそうです。
研修受講により400時間の実務者研修が免除に
またもう一つの理由は介護資格制度の見直しです。27年度の介護福祉士国家試験からは3年以上の実務経験と450時間の「実務者研修」の受講が必須となりました。しかし、介護職員基礎研修を修了していればこのうち400時間が免除になります。そこで、将来のスキルアップを目指す人たちが今から介護職員基礎研修に参加していると考えられるそうです。
同社では受講希望者の急増に合わせてすでに100コースを開講していますが、キャンセル待ちの希望者も多いため、さらにコースを増やして対応する方針だということです。

「介護職員基礎研修」の受講者急増 減算免除や優遇 背景に制度変更(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120906/パンフレット「介護職員基礎研修について」(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/02/dl/tp0228-1a.pdf株式会社ニッソーネット
http://www.nissonet.co.jp/company/