公職選挙法と介護保険制度のはざまで
16日に衆院選が行なわれますが、公職選挙法と介護保険制度の規定のため、在宅で介護サービスを受けている高齢者で投票ができないケースがあることを、12月12日付けの河北新報が報じています。
(Photo by taoty 写真はイメージです)
例・寝たきりで在宅介護、でも要介護4の場合
河北新報では仙台市内に住む長岡文子さん(90)のケースを紹介しています。長岡さんは数年前に自宅で転倒し、それ以来自宅で寝たきりの生活を送っているそうです。24時間ヘルパーがついていますが、自分で食事ができるため、介護保険サービスの認定は「要介護4」です。
毎日、新聞やテレビでニュースを見て、日本の先行きを案ずる長岡さんは今回の選挙で投票しようと思いましたが、長岡さんは投票所へ行くことができません。しかし公職選挙法や同法施行令では、要介護4の高齢者に郵便投票を認めていないそうです。河北新報の報道によると、要介護5の高齢者は市町村選管に事前登録することで郵便投票が認められますが、要介護4は対象外。総務省選挙課ではその理由を
「4は寝たきりの人もいれば、歩ける人もいる。不正を防止するため郵便投票は厳格に区切っている」
と説明しているそうです。
在宅介護でなければ投票できる場合も
一方で、同じく総務省選挙課によると
「施設内は監視ができ、投票の公正性を保てる」
ため、介護施設に入所する高齢者は施設が不在者投票所に指定されていればそこで投票できるそうです。河北新報の報道によると、長岡さんは近くの選挙管理委員会へ相談しましたが投票手段はなかったそうで、制度の改善を望んでいるそうです。

要介護4は「郵便」対象外 在宅高齢者「投票できない」(河北新報)
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/12/20121212t11026.htm総務省
http://www.soumu.go.jp/