睡眠障害、認知症などの改善につながる研究開発
名古屋大学本部で先ごろ行われた記者発表会で、名古屋大学エコトピア科学研究所、北川邦行教授らの研究グループが共同開発した新たな照明システムが、人への実証実験で、高齢者の睡眠や認知症改善に効果があることがわかった。
この新たな照明システムは、研究グループがえた“白色LEDの青色残光が、人のメラトニンを減少させる”という実験結果のデータに基づいて開発されたLEDを使った照明システムで、その試作品は、あらゆる波長を組み合わせた光によって症状別にその効果をえられるようにする「スペクトルセラピー」の照明器として用いられた。
またその効果を、老健施設や認知症病棟に導入して検証したところ、高齢者の睡眠・認知・会話状況に改善の傾向がみられた。
光療法に続く新たな照明システムに期待
これにより、新たな照明システムを使った「スペクトルセラピー」は、睡眠障害やうつ病、生体リズムを整えるために従来、用いられていた「光療法(高照度の光を対象者にあてる療法)」に続く新たな治療法として今後の開発が期待される。
また、今後の開発について研究グループは、臨床データを今より増やし、新たな照明システムの実用化に向けて開発を進めていくという意向を示している。
編集部 つつみ さえこ

「LEDを用いた照明システムに関する記者発表を実施」名古屋大学エコトピア科学研究所
http://www.esi.nagoya-u.ac.jp/whatsnew/kitagawa_lab.html