年齢に応じた柔軟トレーニング開発へ
芝浦工業大学は、2020年12月9日、神経の硬さが高齢者の関節の柔軟性と関連することを、同学の研究チームが発見したと発表した。
この発見は、同学ポスドク研究員・平田浩祐氏とシステム理工学部生命科学科4年・山寺凌輔氏、同学科准教授・赤木亮太氏の研究チームによるもの。年齢に応じた柔軟トレーニング開発への活用に、期待が持てる成果となっている。
神経が硬くなった高齢者は、関節可動域が狭まる
高齢者の怪我・転倒リスクを低減させるためには、身体能力向上を図るトレーニングの開発が重要となる。そしてこのトレーニング開発のためには、関節の柔軟性すなわち可動域に影響を与える要因を明確にする必要がある。
関節の可動域は、骨格筋の硬さが影響を与えることが既に知られている。しかし、高齢者は若年者より筋肉が軟らかく、柔軟性低下の要因は曖昧になっていた。同研究チームは、柔軟性に影響を与えている筋組織以外の組織を選別すべく、実証実験を実施。結果、神経が硬くなった高齢者は足首関節の可動域が狭まることを発見するに至った。
神経の硬さは、若年者の柔軟性とは関連しない
同研究チームの成果によると、神経の硬さは高齢者の足首の柔軟性と関連し、若年者の柔軟性とは関連しない。柔軟性低下について、年齢別にトレーニング方法を開発する必要性・可能性を示唆する知見となっている。
同学はこの成果について、新たなトレーニング法の開発を通じて健康寿命の伸張に貢献することを期待している。
(画像はプレスリリースより)

神経の硬さが高齢者の関節の柔軟性と関連することを発見 - 芝浦工業大学
https://www.shibaura-it.ac.jp/news/nid00001369.html