デイサービスで香りのトレーニング
株式会社フィッツコーポレーションは、高齢者の嗅覚低下に伴う「鼻トレ」の実証実験を行い、その結果を2024年10月25日に発表した。実験は埼玉県にあるデイサービス「アクティ フィジオラボ」で行っている。
約8割が「香り」を意識するように
嗅覚の低下は、味覚にも関連することから食欲の低下など健康に影響を与えるほか、煙やガスの臭いなど事故に気づくための安全性へのリスクも高まっている。
嗅覚は加齢とともに衰えがちで自覚しにくい感覚である一方、可塑性もあることからトレーニングによる改善も可能だ。
そこで同社では、施設内において「アロマディフューザーを利用した施設内空間での香りの噴霧」「アロマストーンを活用した嗅覚トレーニング」「嗅覚機能に対する意識付けを促すポスター掲出」など嗅覚機能に対する意識付けを1か月間行った。
その間、「香りを意識した」人は87%、また鼻トレをしている間に「味覚の変化を感じた」人が29%いたことが分かった。
自覚のない嗅覚低下をトレーニングで
同社が以前行った調査では、嗅覚の低下を自覚している高齢者は約20%であり、「無関心」から「関心」に導くことがトレーニングにつながると考察している。
そのためには「香り当て」などゲーム形式で嗅覚のトレーニングを行う、生活環境に心地よい香りを取り入れる、香りに関するポスターを提示して関心を高めるなどのアプローチが有効としている。
(画像はプレスリリースより)

フィッツコーポレーションのプレスリリース
https://www.fits-japan.com/news/20251025