自身の体験と認知症への備え
7月8日、テレビ番組などでおなじみの医師で医療ジャーナリストの森田豊氏による新刊『医者の僕が認知症の母と過ごす23年間のこと』が自由国民社から発売された。四六判、224ページ、定価は1,430円(税込)である。
同氏は番組出演のほか、医療ドラマの監修も行っており、中でも『ドクターX~外科医・大門未知子~』シリーズは大人気。新刊では著者自身の母の認知症に向き合ってきた23年間などについて語っている。Amazonで同書は、「闘病記」カテゴリ売れ筋ランキング1位を獲得しているという(7月5日・6日)。
母に対する医師としての「失敗」
医療行為における「失敗」は命に関わることがある。ドラマ『ドクターX』の主人公の台詞「私、失敗しないので」は、森田氏の医師としての思いが反映されているという。しかし、同氏は自身の母親について「失敗」したと語る。
森田氏が母親の振り込め詐欺被害の知らせを受けたのは2006年11月のこと。母のアルツハイマー型認知症についても知ることになる。その事実は同氏にとって衝撃的なことであるが、思い当たりフシはあった。進行性の疾患を早期に対処できなかったのは、医師として「失敗」だったのだ。
新刊では、母への後悔、反省、どのように認知症を発症し、どう対処し向き合ってきたかを詳述。医師としての経験や知識、母から得た認知症に関する知見をもとに、認知症の予防や改善に役立ちそうな内容も盛り込まれている。家族が認知症の人、医療者や介護従事者などにおすすめの1冊となっている。
(画像は
Amazon.co.jpより)

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