東日本大震災がきっかけに
昨年11月以降、高齢者向けの肺炎球菌ワクチンの接種希望者が急増し、品薄になっていることがわかった。そのため、製造元の製薬会社「MSD」(東京都)では「接種予約を可能な限り延ばしてほしい」と呼びかけている。
肺炎球菌ワクチンには、65歳以上を対象とする成人向けと幼児向けの2種類があるが、品薄となっているのは成人向けの「ニューモバックスNP」。ワクチンには肺炎の重症化を防ぐ効果がある。
同社によると、昨年11月の接種希望者は前年同時期の4倍で、同12月から品薄になった。「今年は年は震災で『備える』という意識が高まり、流行期の11月以降、希望者が急増し、想定を上回った 」と同社では説明している。ワクチンは被災地の宮城県・岩手県・福島県へ優先的に供給しているため、全国へ十分供給できるようになるのは2月以降になるという。
肺炎対策には手洗い・うがいをしっかりと!
専門家は自分でできる対策として手洗いやうがいの励行といった風邪・インフルエンザ対策を勧める。なぜならそれらが肺炎の原因となるからだ。肺炎球菌は風邪やインフルエンザで気管支などが炎症を起こした部分に感染し、肺炎を起こす。幼児や高齢者、重い病気がある人がかかると死に至る場合もある。
昨年12月16日には厚生労働省から「インフルエンザの流行期に入ったと考えられる」との発表があった。
渡辺彰・東北大教授(感染症学)は「肺炎にならないように、インフルエンザワクチンを接種したり、風邪の予防に努めてほしい」と話している。

MSD
http://www.msd.co.jp/Pages/home.aspxインフルエンザの発生状況-厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html