猛暑の中、高齢者2人が死亡!
東京都港区の民家で、先月12日、2人の高齢者が亡くなった。
亡くなったのは朝香和子さん(78)と、夫の兄である朝香良一さん(89)だ。和子さんの夫である朝香友治さん(87)も和子さんと一緒に倒れているのが発見され、搬送されている。
(この写真はイメージです)
死後3~4週間経つも気づかれず
朝香友治さんは10年ほど前から認知症を患っており、同居している兄の良一さんも膝を悪くし、ほとんどこもりきりの生活を送っていた。そんな2人を献身的に介護していたのは、妻の和子さんであった。
8月12日の午後6時15分頃に、同居している朝香さんの次男から両親が倒れているとの通報を受け、救急隊員がかけつけたところ、2人が熱中症の症状で倒れていた。2人は病院に搬送され、和子さんが搬送先の病院で死亡が確認された。
さらに2階から異臭がしており、次男に尋ねたところ、伯父の良一さんが2階で暮らしていると答えたという。救急隊員と次男が2階に上がると、良一さんの腐乱遺体が発見された。良一さんは、死後3~4週間経っており、死因は特定されていない。次男は、伯父から2階に上がってこないよう言われていたと答えている。
「認認介護」でもサービス対象外の現実
和子さんは、夫と義兄の世話をしながら、亡くなる9日前の8月3日、認知症と診断され、「認認介護」の状態に陥ることとなった。
しかし、次男と同居しているという点から、行政サービスの対象外となり、今回の悲劇は起こった。次男は2年ほど前に実家に戻り、無職の状態で、友治さんと良一さんの介護は和子さんに任せていたという。
年々「認認介護」に陥る世帯は増加し、80代同士の夫婦の11組に1組が「認認介護世帯」の状態にあるという。ただ、行政サービスにも限界があり、今回の事態を重く受け止めながらも、先行きは不透明となっている。周りの人が認知症を理解し、このような悲劇を未然に食い止める必要もあるようだ。

東京都港区高齢者支援課
http://www.city.minato.tokyo.jp/soshiki/koreshashien.html