今年の老人福祉・介護事業の倒産件数が発表!
この度、株式会社東京商工リサーチから、2013年1月~10月の老人福祉・介護事業の倒産件数が発表された。
調査対象となったのは、有料老人ホーム、通所・短期入所介護事業、訪問介護事業など。
(この画像は調査データより)
負債1億円未満の小規模倒産が増加
調査によると、今年10月までの老人福祉・介護事業の倒産件数は、前年同期比62.9%増しの44件だという。
介護保険法が施行された2000年以降では、2008年が1年間を通して46件と最も多く、その件数に過去最多ペースで迫ることとなった。
さらに調査では、倒産における負債額も調べられ、前年同期比4.7%減の19億300万円と、微減で推移していることが分かった。
しかしながら、負債10億円以上の大型倒産はなかったものの、負債1億円未満の小規模倒産は40件となり、前年同期20件に対し大幅に増加を見せた。
訪問介護事業の倒産が過去最多を更新
なかでも最も増加を見せたのは、訪問介護事業の倒産。前年同期15件に対し73.3%増の26件となり、これまで最多だった2009年の25件を10月時点で上回る、過去最多記録を更新した。
なお、倒産の原因別で最も多かったのは、業績不振の26件となり、前年同期比85.7%増となった。次いであげられたのが事業上の失敗で、他社倒産の余波、運転資金の欠乏が続いた。
高齢化社会が進むなか、介護関連事業は将来性が高い産業として注目され、資本力の弱い小規模事業者が参入しやすいのが特徴となっている。
しかしながらその反面、経営改善ができないままに赤字が続き、経営が悪化してしまう小規模事業者が多いのも現実となっているようだ。今後の老人福祉・介護事業においては、倒産件数のさらなる増加が懸念されている。

株式会社東京商工リサーチによる調査データ
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/2013/1242507_2164.html