出かける機会が減りフレイルが進行
神戸市は「新型コロナウイルス感染症の流行に伴う外出の機会の減少が、フレイルにどのような影響を及ぼしているか」を調査し、8月5日にその結果を発表した。
神戸市内在住の75歳以上の男女を対象に、新型コロナウイルス感染症が流行する前の「2019年度」と、流行後の「2020年度」にアンケート調査を実施し、データを比較した。
調査結果によると、コロナ後に運動機能が下がった人は25.9%。コロナ前に比べて2ポイント増加している。気分が沈む傾向がある人は35.2%で、コロナ前から約4ポイントの増加。新型コロナウイルス感染症の流行が、フレイルの進行に影響を及ぼしていることが確認された。
一方で、新型コロナウイルス感染症流行前後も、趣味やスポーツ、ボラティアなどの社会参加を続けていた人や、コロナ流行後に新たに社会参加を始めた人は、社会参加をしていない人と比べてフレイルの割合が低いことも明らかになった。
フレイルとは、身体的機能や認知機能などが低下している「虚弱」状態をいうが、適切な対策を行うことで生活機能の維持向上が可能な状態と定義されている。しかし対策を怠れば、要介護状態に進む可能性が高いと考えられている。
神戸市のフレイル対策
神戸市では高齢者福祉の一環とて、フレイル対策にも取り組んでいる。
主な取り組みとして「KOBEシニア元気ポイント」、「フレイル改善通所サービス」、「元気!いきいき!!体操」、フレイル予防の市民啓発活動などを行っている。
「KOBEシニア元気ポイント」は、社会参加を行うとポイントが貯まり、貯まったポイントが換金できる制度。
「フレイル改善通所サービス」は、筋力トレーニングや健康講座など週1回のプログラムを半年間続け、体力測定によって改善状況が確認できるサービス。市内12か所で開催されている。
「元気!いきいき!!体操」は、地元の放送局であるサンテレビが提供する健康番組。体操や脳トレ、健康講座などを毎日放送している。
(画像はプレスリリースより)

神戸市のプレスリリース
https://www.city.kobe.lg.jp/