赤ちゃん型ロボット「かまって『ひろちゃん』」
国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、ヴイストン及び隆生福祉会は10月9日、赤ちゃん型ロボット「かまって『ひろちゃん』」の検証実験を開始すると発表した。
国際電気通信基礎技術研究所とヴイストンが共同開発した赤ちゃん型ロボット「かまって『ひろちゃん』」の活用が、認知症高齢者とその介護者にどのような影響を及ぼすかを調べ、認知症高齢者への癒やしとQOLの向上、介護者の負担軽減を目指すための、長期間にわたる検証実験である。
なお実験は、隆生福祉会の介護施設「特別養護老人ホームゆめパラティース」にて行われる。
インタラクティブドールセラピー」を目指すための実験
海外では要介護者への癒しに人形を活用する取り組みを「ドールセラピー」と呼んでいる。ドールセラピーでは赤ちゃん人形を認知症高齢者に渡し、あやすなどすることで癒し効果をねらうのが一般的だ。
しかしドールセラピーで使用する人形は、基本的に声を出すなどの働きかけを行わない。また、実際の赤ちゃんにそっくりの人形を用いることが多いのも特徴となっている。
これに対して今回検証実験を行う赤ちゃん型ロボットは認知症高齢者への働きかけを行うことから、このようなロボットを「インタラクティブドール」と呼んでいる。
今回の検証実験ではロボットとの交流によって生じる相互作用が、認知症にどのような影響を与えるかを調査し、赤ちゃん型ロボットを通して要介護者と介護者を支援する「インタラクティブドールセラピー」の創出へとつなげるのが目的だ。
今後は実験の状況の報告や、赤ちゃん型ロボット使った介護レクリエーションの方法を紹介するウェブサイト「ひろちゃんコミュニティサイト」を開設し、情報発信を行っていく予定だ。
(画像はプレスリリースより)

株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、ヴイストン株式会社、社会福祉法人隆生福祉会のプレスリリース
https://www.atr.jp/topics/press_201009.html