2016年度の年金特別会計の収支決算を発表
8月10日、厚生労働省は、自営業者などが加入する国民年金と会社員が加入する厚生年金の2016年度(平成28年度)の収支決算が2年ぶりに黒字に回復したことを発表した。
2015年度は、円高や株安の影響で公的年金の運用が不振だったことにより、国民年金、厚生年金の収支は赤字だった。
運用好調により黒字10兆円超
国民年金の2016年度の決算は、時価ベースで、歳入が4兆6256億円、歳出は4兆3816億円となり、歳入が歳出を2440億円上回って、黒字となった。
厚生年金の決算は、歳入が56兆1626億円、歳出は45兆6595億円となり、歳入が歳出を10兆5031億円上回って、黒字となった。
黒字回復となった理由は、公的年金の積立金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による運用実績が好調だったことがあげられる。アメリカのトランプ大統領による財政刺激策への期待感により、10月から12月期に国内外で大幅に株価が上昇したことが要因だという。
手数料などを除いたGPIFの2016年度運用益は、7兆8925億円であり、内訳は国民年金が4854億円、厚生年金が7兆4071億円である。積立金の残高は、時価ベースで、国民年金が1789億円増えて8兆9668億円、厚生年金が前年度より10兆5031億円増えて144兆4462億円となった。
(画像は厚生労働省のウェブサイトより)

公表資料 厚生年金・国民年金の平成28年度収支決算の概要
http://www.mhlw.go.jp-Houdouhappyou-/厚生労働省
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