認知症の人や介護する人に心の安らぎを
認知症の祖母の介護経験がある漫画家のニコ・ニコルソン氏の新刊『マンガ 認知症』が発売された。同書には認知症の心理学と老年行動学を研究している大阪大学大学院教授の佐藤眞一氏も著者として名を連ねている。
新刊は288ページで新書版、筑摩書房よりちくま新書として880円(税別)の価格で発売中である。
認知症は介護者が耐えるしかない?
大好きな祖母が認知症になり、母とともに在宅介護することになったニコ・ニコルソン氏は、祖母の徘徊、便失禁などに悩まされる。
何らかの原因により、認知機能が低下し、日常生活に支障が出る場合に認知症と呼ばれるようになるが、特効薬があるわけではなく、介護する人が耐えるしかないと考えられがちである。
必要なのは当事者の心理の理解
佐藤眞一氏は「本人の症状が楽になれば家族も楽になれる」を信念とし、日々症例検討を行っている。新刊『マンガ 認知症』では、原因疾患と認知機能障がいの関係や、老化による物忘れと認知症の違いなどの解説から始まり、物盗られ妄想などがなぜ起きるのかを解説している。
また、なぜ同じことを質問するのかや、なぜ突然怒りだすのか、高齢者の自動車事故についても解説。同書について佐藤氏は、認知症の人やその家族、介護従事者、認知症やその介護に漠然とした不安を抱いている人に、心の安らぎを得る助けになればと願っているとしている。
(画像は
Amazon.co.jpより)

筑摩書房 マンガ 認知症 - ニコ・ニコルソン 著, 佐藤 眞一 著
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480073228/