有料老人ホーム入居者の機能改善で成果
HITOWAケアサービス株式会社は2月28日、トレーニングツール「TANO+」を活用した実証実験において、その効果が確認されたと発表した。
この実証実験は、TANOTECH株式会社が開発した「TANO+」を用い、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構の採択事業として実施されたもの。
HITOWAケアサービスが運営する有料老人ホーム「イリーゼ横浜旭」の入居者22名(平均年齢86.2歳、平均介護度2.3)を対象に、ADL(日常生活動作)の向上やフレイル予防への効果を検証した。
「TANO+」の活用で運動機能が向上
「TANO+」は、ゲームの要素を取り入れたトレーニングツール。センサーの前に立つだけで体がコントローラーとなる仕組みを採用し、運動・発声・脳活性化を促すプログラムが多数搭載されている。画面を見ながら行えるため、誰でも簡単にゲーム感覚で楽しみながらリハビリできるのが特徴だ。
今回の実証実験では、特に運動機能と口腔機能の改善が顕著に見られた。
自立して立ち上がることが可能な12名の「5回立ち上がりテスト」では、開始前の22.9秒から13.6秒へと改善、口腔機能の評価では、「タ」の発声回数が13.1回から20.4回へと増加した。
また、片側マヒなどの疾患を持つ入居者も、個々のレベルに応じたゲームを通じて運動量の向上も確認された。
楽しみながら健康増進とケア負担軽減
今回の実証実験により、「TANO+」がADL機能の向上やフレイル予防に有効である可能性が示された。適切に活用すれば、利用者の自立支援につながり、介護者の負担軽減も期待できる。
開発元のTANOTECH社は、今回の実証結果をもとに、遠隔でのコミュニケーション機能の強化や、より使いやすい機能を備えたロボットの開発を進めていく予定だ。
HITOWAケアサービスは
介護の現場で培ってきた知見を活かし、現場として使いやすく、実効性のある「TANO」に進化するよう、共に考え、助言しながら協働を進めていきたい
(プレスリリースより)
と述べている。
(画像はプレスリリースより)

HITOWAホールディングス株式会社のプレスリリース
https://www.hitowa.com/info/id1296.html