理由は財政難?
16日に開かれた有識者の検討会で厚労省が年金通帳の配布見送りを明らかにした。年金通帳の代わりにはインターネット上で通帳に見立てた画面を表示させる代替案だ。年金通帳の構想は加入者が保険料の納付実績や年金額を確認しやすくするために金融機関で使える通帳方式を考えていたが、その実現には多額の導入コストがかかるため、事実上見送る。
民主党の公約は財政難でまた実現せず
そもそも年金通帳は、旧社会保険庁のずさんな記録管理問題から、民主党が発案。2009年の衆院選の政権公約では、全ての加入者に交付するとしていた。ところが、政権交代後も苦しい財政事情のもとで具体化が進まず、この夏以降も、厚労省の検討会でATMを設置する関連業界に意見を求めたが実現には至らなかった。
インターネットでの新たな案とは
同じく16日の有識者の検討会で厚労省が明らかにした新たな案は「e(イー)―年金通帳」(仮称)と言うもので。登録すれば、ネット上で保険料の納付実績や将来もらえる年金の見込み額を閲覧できる。現行の「ねんきんネット」を衣替えだ。
ネットを利用できない人などの希望者には、市町村の窓口や郵便局で印字したものを渡す。導入にかかる費用は数億円程度で、2013年度中の実現を目指す。

厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/