2015年度より国民健康保険料は都道府県単位に集約
現在は原則的に市区町村ごとにまかなわれている国民健康保険(国保)の医療費について、毎日新聞の報道によれば、政府は2015年度から都道府県単位に市区町村で共同負担する仕組みに改める方針だ。これにより同一都道府県内の保険料格差は縮小される見込み。
国保の加入者は自営業者や無職の人で、医療費は加入者の保険料と税金で運営されている。そのため、保険料が高くなりがちなのは医療費がかさみやすい高齢者が多い小規模自治体だ。
さらに小規模の自治体に高額の医療費がかかる患者がいる場合、その医療費が自治体の財政にとって大きな負担を与える可能性がある。
財政のパンクを防ぐため、現在の国保の仕組みでは1人分の医療費が月に30万を超す場合は同一都道府県の市区町村で共同負担となっている。80万を超える場合は国や県も拠出する仕組みで、結果的に医療費全体の4割は共同負担でまかなっている。
実施されれば保険料格差は縮小するが
今回、政府は共同負担となる対象を「30万を超える場合」から「1円以上」とし、すべての診療を対象とすることにした。
なぜなら現在の国保の仕組みでは、市区町村によって保険料のばらつきが大きいからだ。
13都道府県で自治体間の年額保険料の差が2倍以上あり、全国一格差がある東京都の場合、千代田区(年額保険料09年度11万3554円)と三宅村(同4万506円)と、2.8倍もの差がある。
国保では各市町村が払う拠出額の半分が加入者数に応じて決定される。
そのため、医療費を都道府県単位で共同負担する仕組みが実施されれば、人口が少なく高齢化の進んだ郡部の負担が軽くなる一方で、都市部の負担は重くなる可能性がある。

国保料:15年度から県単位集約 市区町村の格差縮小--政府方針
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20120108ddm002010131000c.html?inb=yt