第2回在宅介護事情調査
日清オイリオグループがインターネットPC調査で全国30歳以上100名の男女にアンケート調査をした結果を発表しました。対象は実際に嚥下機能が低下している60歳以上の要介護度1~3の要介護者を「在宅で介護して「」介護食を介護者本人が作っている」人です。
日清オイリオグループは昨年6月に在宅介護事情調査『夏場の介護事情に関するアンケート調査』を実施、今回が2回目です。
(日清オイリオグループ・プレスリリースより)
要介護者に多い「むせる」
むせるときがあると回答した中でその時の状況を聞くと、圧倒的に「飲食時」が多いのが上の表でわかります。
食事中にむせるのは「時々むせる」のも含めて要介護者の79%におよび「飲食時」の中身としては、固形物だけでなく「食事を食べている時」が49.4%、「お茶やお水、汁物などの水分を飲む時」が29.1%で水分でむせる方も多いということも判明しました。
「むせる」という現象は、肺に異物が行くのを防ぐ正常な生体反応ですが、本人にとってはむせている間思うように呼吸できないため、かなり苦しい状態になります。
ただ介護食で注意していることのNo.1は食材のかたさ。意外に注目されていないのは水分のトロミだという事が、一番注意している点は「食材によってかたさに注意している」(61%)、に対し、「汁物や飲み物のトロミに注意している」は(27%)であったことからわかりました。
介護食作りで困ること
介護食作りで困っている点の1位は「手間がかかること」(57%)、2位は「時間がない」(30%)、3位は「適切なかたさや大きさがわからない」(26%)でした。そのわりに市販の介護食品の使用は27%にとどまり、使用していない人は72%でした。
市販品を使用しない理由では「価格が高い」(43.1%)の他、「使う必要がない」(34.7%)、「手作り感がある方が良い」(22.2%)と頑張って手作りしている方の姿が垣間見え、要介護者も含めて家族一緒に食事をする頻度は「いつも一緒に食べる」(50%)「朝・昼・夕のどれか一食は一緒に食べる」(37%)と全体の87%が家族で一緒に食べていることがわかり、介護者の努力がわかりました。
この結果に対して【専門家のコメント】として柳沢幸江、和洋女子大学・健康栄養学類教授が以下のように述べています。
「食べ物を口から安全に、おいしく食べるためには、噛む機能(咀嚼)と飲み込む機能(嚥下)の双方が必要になります。介護食をご家庭で作る際に、噛む機能の低下に配慮をして、食べ物を柔らかくしたり、小さく切ったりする工夫は行われていますが、お茶や汁物などを飲み込み易くする工夫も必要になります。嚥下機能が低下した人にとって、お茶や汁物さらに煮汁などの液状の食べ物は誤嚥を引き起こしやすく、むせの原因になります。汁気の多い料理やお茶などに、少しトロミを付けることで、液体が喉にゆっくり入っていくので、誤嚥の防止に役立ちます。」
(日清オイリオグループ・プレスリリースより)

日清オイリオグループ・プレスリリースより
http://www.nisshin-oillio.com/company/news/archive/2012/data/20120124.pdf